私は一応中身も社会的にも男なので、私が女子トイレにズンズンと入っていけば、ぎょっとされるばかりか、物を投げつけられるかもしれない。では、女装して女子トイレに入ればいいではないか。物を投げつけられたら答える「え、女子ですけど。」
現在、退位問題において、報道等含めた有力案の一つが、皇室典範の中に「退位は法律の定めるところによる」という特例法への委任条項を規定(つまり皇室典範を改正)して、退位については特例法で定めるというものである。これなら皇室典範を改正しているから憲法2条による皇位継承は「皇室典範の定めるところにより」という条件もクリアする。そして、皇室典範の改正による恒久的な制度の創設(女性宮家等についても言及)は今後行うことを附則に定めるか、何らかの文書で残す案も出ているそうだ。
しかし、皇室典範を変えさえすれば憲法2条の要請を満たすかといえば、そんなわけがない。結局は特例法に投げているのであれば、いくら皇室典範を改正していても、その趣旨において憲法2条の潜脱である。「皇位」の「継承」について、実質的にも皇室典範で定める必要がある。
形式だけ、外見だけ整えればOKなわけがない。大事なのは中身、実質である。憲法2条が、皇位の継承は皇室典範によるべし、として趣旨が、形式だけ皇室典範をいじるという形を認めているわけがない。皇位継承についての普遍的な制度構築を皇室典範によったのだ。
また、退位の問題と女性宮家、女性・女系宮家の問題をトレードオフにしてはいけない。つまり、女性宮家等の問題が進展するなら今回の退位制度は特例法でもよい、とはならないであろう。約束違反や憲法違反を是正する制度が存在しないのだから、附則や合意は無意味。
勝負は、今である。
現在出ている案は、心も体も男なのに、女装しているから女子トイレ入ってオッケーと同じ理論である。女装してトイレに入ろうとしている輩を捕まえて、「こいつら男です!」と叫ぼうではないか。
これ、どこか常識に反してますか?